9年半ぶり

「ついにFRBが金利を上げましたね、少し円安で、日経平均は上がっているけど、どうなるのか、先が見えないですね。」
「商品市場で大損したヘッジファンドが、取り戻すため『日本株しかないと』お化粧しているとの噂だけど、買い手はそこと、日本の年金と日銀だけだったりして(笑)。」
「しかも、この前の発表だと、年金の運用で8兆円も損したらしいじゃないですか、消費税の食品軽減税で4000億円、鬼の首を取ったように威張っていたけど、国民の資産を8兆円も減らしてどうなっているのでしょう。昨年10月に株の運用比率を上げたとたんにこうですから。」
「まあ正確には6月末より資産が8兆円減ったということで、それまでは増えているだろから、でも、マスコミの書いている通り、役人と大学教授で運用しているのだとすると、本当に怖いよ、大金持ちのど素人が、カジノでクジラとか言われ煽てられ、すっからかんで帰るのと一緒だね。」
「安倍総理と日銀の黒田総裁のお墨付きですから、やりたい放題ですよ。」
「90年のPKOも株価(経済?)のためという大義名分で、やりたい放題だったよ、初めて年金で株を買ったんじゃない?日経平均30000円程度だったから、そこから4分の1になったけどね。誰も責任をとらない、今も同じ。」
「当時は年金問題はなかったのでしょう?」
「そう、サンピア何とかという施設を全国いっぱい建てて、無くなるなんて誰も思わなかったね。僕は今の社会保険庁のレベルの低さは当時のモラルハザードが原因だと思うよ。」
「どういう意味ですか?」
「当時は景気も良くて、厚生年金もどんどん増える、バブルで踊ったのは厚生省の役人たち、有り余るお金でやりたい放題、日本が世界一の金持ちだったから、カジノで例えたのは、ラスベガスのルーレットやカードの前で、多くの注目を集め大博打を打つ、面白くて仕方ない、しかも自分の腹は痛まない、総理大臣から『思いっきりやれ!』と言われている、サウジの王様以上だ(笑)。失敗しても責任はない、そういうことだね。」
「どうして、バブルが弾けたわけではない今、PKOをしているのですか?」
「アベノミクスの失敗を隠すためだよ、第三の矢も出ない、インフレターゲットも無理、でも株価が上がっているから、株をしている中高年には人気がある、選挙に行くのは中高年、株価=支持率だね。」
「でも日経平均が1割ほど調整しただけで8兆円も資産が減るとは怖いですね。」
「世界中が縮んでいるからね、ロシアが参戦しても、原油価格は下がる、中国がどうなるか、リーマン後の『中国の奇跡』は起こらないでしょう。」
「FRBの利上げが転換点になる?」
「しばらくは、かかるね。アメリカの歴史的低金利のおかげで、世界中にお金が回り、途上国の経済が発展した、原油価格も140ドルになった、しかし物も金も余り過ぎてバブルが弾けた、本来株の世界では『半値八掛け二割引』と言って三分の一になったら下げ止まるのだけど、赤字でも潰れない中国の国営バカ企業が叩き売るので、下げ止まらない。」
「やっぱり中国ですか?」
「日本が出来なかった内需拡大、中国は見事にやったからね、リーマン後世界経済を立て直したのは中国、でも今度はそれが足かせになるかもしれない、鉄鋼の設備だけで、今の世界需要の3倍もある、それが潰れないから、淘汰されない。」
「日本経済はどうですか?」
「分からないよ(笑)、オリンピックまでは、インバウンドで悪くはないのじゃないかな、でも製造業の利益はこの3月期がピークだと思う、どちらにしろ政府や日銀によるPKOは止めてほしい、テロでも起こればひとたまりもないね、ゾッとするよ。」
「渋谷のスクランブル交差点で自爆テロの噂が?」
「本当に?何しろ何が起こるか分からない、株を枕に年越しだけはやめようと。」