雇用するには①(採用前に考えよう)

起業する際に、社員やアルバイトを採用しなければならないこともありますよね。
起業前は「雇われる側」だったのに、「雇う側」に立場が変わります。
そこで、まず募集の前にいろいろ考える必要があります。
 
 
(1)欲しい人材のイメージ → まずは人柄
事業立ち上げ期に採用するのは、資金面や業種にもよりますが多くの場合、少数精鋭となる形がほとんどでしょう。
どんな人と一緒に働くかは、これからの事業の運命を決める重大な要素といっても過言ではありません。
少ない人数で一緒に働いていく上で一番大事なことは、学歴や資格ではなく「人柄」ではないでしょうか。
まずは自分と一緒に働いているイメージをつくるのが大事です。
 
 
(2)業務内容やそれをこなすスキルを明確化
任せたい業務内容をまず考えましょう。
それによって、採用する人物に必要な「スキル」が明確になってくるはずです。
入力作業を任せたいのであれば、計算能力や入力が速くミスをしない人が良いでしょうし、営業を任せたいのであれば、コミュニケーション能力が優れている人が必要となってきます。

つまり、どのような仕事を任せたいかによって、求めるスキルが変わります。
そこで業務内容を具体的にし、遂行するために必要なもの(資格・経験)をピックアップしておきましょう。
また、採用する人がほとんどは初めから何でもできるわけではありません。
育成プランもあわせて検討しておけば完璧です。
 
 
(3)雇用形態と採用人数の決定
まずは仕事の責任の重さや、勤務時間、事業の将来展望などを考えたうえで、どのような雇用形態で何人採用するか決めましょう。
ここで注意するのが保険関係です。

1人でも雇用したら労災保険は必ず加入しなければならなくなりますが、週20時間以上であれば雇用保険が、だいたい週30時間以上働くのであれば社会保険の加入も必要になってくるでしょう。
事前に専門家に保険料の概算や注意点を相談しておくのもいいでしょう。
 
 
(4)賃金を決める
必要人数や雇用形態が見えてきたら、採用される側にとって一番重要な給与をいくらにするかを考えます。

必ず守るのが二つあります。
一つは最低賃金です。最低賃金には、地域別と産業別があり、産業別賃金が地域別賃金よりも優先されます。
産業別賃金が設定されていない業種は、地域別賃金を確認しましょう。
その上で、同業種で同じような仕事内容の場合の相場を頭に入れて決定してください。
もう一つは、給与額に加えるべき通勤交通費の上限と会社が負担する労働保険、社会保険額を加えた総人件費を確認することです。

ちなみに現在であれば会社負担の労働保険、社会保険料は給与額の15%を見ておくとよいでしょう(30万の場合は34.5万。これに通勤費を足せばOKです)。
これを事業計画に組み込んで、問題がなければ大丈夫です。
また人材の採用にあたっては、助成金が出る場合もありますので、情報は確認しましょう。