医療費控除でミスがないように・・・

保険会社から控除証明書が郵送されてくる時期になりました。12月になれば年末調整でおおわらわとなるのですが、その時に医療費控除についての質問もよくあります。この医療費控除は確定申告によってできる控除ですが、よく聞かれる点、間違える点等を私の独断で5つピックアップしておきますので参考になればと思います。今からでも領収証を集めればなんとかできるかも?

その1:医療費が「10万円」を超えたら使える、ではない!

医療費控除には課税標準の5%という適用基準もあります。医療費控除は、この「課税標準の5%」と「10万円」のいずれか低い金額を超えた場合に適用を受けることができます。ちなみに課税標準は総所得金額を指します。(収入額ではありません)

なお、給与収入のみの方であれば、年収3,116,000円未満であれば課税標準の5%が利用できます。

その2:医療費の範囲は、市販の風邪薬や通院のための公共交通費も入る!

医療費は、病院だけに限らず、医療目的であれば、薬局にある市販の薬も公共交通機関を使用した場合の通院費も該当します。該当しないのは、予防のため、健康のための支出(予防接種や健康診断など)です。領収書のとれない交通費については表計算ソフトなどを使用して、通院履歴などと照合できるように整理しておくといいでしょう。

その3:クレジット払いはほとんどが有利になる!

特にインプラント治療やレーシック手術は高額になります。基本的には支払った年の医療費に計上するのですが、クレジット払いは信販会社などが病院に立替払いをした年に算入することができ、その年の医療費控除の金額を増やすことができます。病院によってはその病院との直接契約による分割払いも行っていますが、分割払いだと支払った分しか算入できません。ただし、年末に治療した場合、クレジットだと翌年にずれ込む場合があるので、今年または来年どっちで計上したほうがお得になるか踏まえて、支払時期には気をつけておいたほうがいいですね。

その4:生命保険から受け取った給付金等があったら控除することを忘れずに!

生命保険からうけとった入院給付金や出産のため国から支給される出産育児一時金などの医療費の補てんとなるものは非課税となり、申告の必要はありませんが、医療費控除の計算上その分は差し引かなければなりません。国ってケチですね(笑)

その5:医療費控除は所得税だけ安くなるわけではない!

よくあるのが、「住宅ローン控除を受けていて所得税がゼロだから医療費控除は申告しなかったよ」というパターンです。それは間違っています!!

医療費控除の申告によって安くなるのは、所得税だけでなく住民税も安くなります。ちなみに所得税の税率が5%の人の場合、住民税の税率は10%なので所得税よりもたくさんの住民税が安くなる可能性があります。また、認可保育園の保育料なんかも所得税や住民税などの金額をもとに決められるところがあります。医療費控除により税額が下がり、保育料の区分が下がれば、毎月の保育料が安くなります。医療費控除で戻ってくる所得税が僅か(または、ゼロ)という場合でも、住民税や保育料などへの影響も考えれば断然したほうがいいですね。

本当は健康が一番ですが、医療費を支払ったら賢く税金を取り戻しましょう!!