起業を検討する際、最初に頭を悩ますものとして個人事業で開業するか法人を設立するかだと思います。個人事業のメリットは手間とコストがかからないということ。定款作成も登記も不要で、税務署に開業届などを提出すれば、すぐに始められます。

個人事業と法人の比較

①社会的信用度

法人・・・信用が得やすい。
個人事業・・・信用が得にくい。
特に、取引先の開拓、銀行からの融資若しくは社員の確保が法人の場合はしやすいです。

②責任の範囲

法人・・・出資した金額以上の責任を負う必要はありません(有限責任)。
個人事業・・・事業の責任はすべて負うことになります。

③税金面

法人・・・節税の範囲が広いです。
個人事業・・・節税の範囲が法人と比較して狭いです。

例えば、
(1) 赤字の繰越は法人であれば9年ですが、個人は3年となります。
(2) 生命保険料は法人であれば一部または全額費用計上できますが、個人事業は10万円が限度です。
(3) 税率は法人であれば一定であるのに対し、個人事業は利益に応じた累進課税となっています。
(4) 法人であれば経営者や家族に給与を支払い経費にすることが可能。

ただ、法人は赤字でも最低7万円の税金が発生します。

※おおよその目安として、利益(所得)が年間800万円を超えてくる場合には、法人のほうが節税で有利になります。

④社会保険への加入

法人・・・強制加入しなければなりません。
個人・・・任意加入となります。(一部業種で労働者が5人以上は強制加入)

社会保険は、法人も従業員と同額の保険料を負担するため、人件費の算出には注意が必要となります。