還付加算金でお得

還付加算金でお得

「先生、予定納税で納めた税金が何だか少し多く戻ってきたのだけど、国が間違えているのじゃないの?」
「いやいや、還付加算金が支払われたのですよ、中間納税した日から年利4.3%の金利が日割りでつくのですよ。」
「何と!銀行金利の40倍以上じゃない。ア~、例の武富士の息子に払った400億がこれか。」

消費者金融大手の武富士の創業者(武井保雄)の長男が海外資産に課税されたのを不服とした訴訟の判決が最高裁であり、国は「還付加算金」約400億円を上乗せし総額2000億円を還付しました。
2011年2月の話ですが、日経新聞や一部経済誌等で問題視されましたが、殆ど話題になりませんでした。

須藤裁判長は補足意見で「海外経由で両親が子に財産を無税で移転したもので、著しい不公平感を免れない」と税回避目的だと判断しながらも、「厳格な法解釈が求められる以上、課税取り消しはやむを得ない」・・・日経記事から

「厳格ではなく幻覚ではないの!高金利で得た資産に国が高利息を付けて、それを税金で払ったということだね。」
「そうですよね、会社更生手続き中だし、過払い債権者に返還出来ない可能性が高いらしいですよ。」
「国税の大失態だよね、民間企業だったら、社長が引責辞任だね。10年以上も低金利が続いているのに何でこんなに利息を付けるの?」
「逆に、納税の延滞金利は14.6%(高利貸し並?いや利息制限法ギリ)です、こんなことになるなど想定外だったのでしょう。」

「先生も私みたいに、2万円の還付金で喜んでいる社長を相手にするより、これ位のクライアントを見つけなきゃ。」
「・・・紹介してくださいよ。」
「ヨーロッパ系のプライベートバンカーは、まず、クライアントの子どもの国籍を取ることから始めるらしいよ、スイスの医学部の合格保証付だって、九州の上場企業のオーナーが会社を売却したコンサルはフランス系PBだよ、ヨーロッパでお城を買うんだって。」

「まあ、本当の金持ちは、日本の税法だけ勉強して国税局長から免許を貰っている税理士では駄目でしょう。3代相続するとゼロになる日本からは、企業だけじゃなく個人も逃げていくよ。武富士だって、裁判長が認めているように、何年がかりで課税回避した提案は、日本の税理士ではないと思うよ。武井家のように1兆円資産があるとそりゃあ真剣でしょう。私が弁護士だったら裁判官を買収するよ。」
「日本に限ってそれはないでしょう?」

「最高裁判事までいけても、生涯賃金は2~3億でしょう、秘密は絶対バレナイ相手と、社会的地位も名誉もある者同士、たぶん弁護士も最高裁判事OB、東大法学部の先輩後輩かも?領収書なしで現金30億置いて行かれたらどうする?」
「冗談でしょう?」
「冗談です、だけど、そういう発想を持ってないと食い込めないということだよ。でも、武富士をはじめとする過払い債権で儲けた士業の人はいっぱいいるじゃない。」
「弁護士や司法書士ですか?」
「そう、最近やたらと法律事務所のテレビコマーシャルが多いだろう。週刊誌を読むと、年間10億近く儲けている人もいるらしいよ。」
「利に聡いというか、すごいですね。」

「もっとすごいのは、その債権を買い取ったファンド、倒産させて過払い返還請求権を失効させ、例えば1000億の債権をバルクでタダ同然で買い取り多儲けするのだよ。」
「ハゲタカファンドですか。」
「そして、真打登場はメガバンク!プロミスはSMBCで、アコムは三菱UFJです。」
「武富士は?」
「武富士は色々変な噂があるので、日本の銀行は手を出さない、しかしスポンサーには烏合の衆がハイエナのように来ると思うよ。」
「そもそも国は、貸金業法改正で闇金をはじめとするサラ金を整理したかったのだろう、銀行は収益性の高い消費者金融を手に入れた、こんな構図だと思うよ。」
「色々裏がありそうですね。」
「全てはグレーゾーンだよ。」

グレーソーン金利とは、利息制限法と出資法の間の金利、最高裁が認めない判決を下した。