久しぶりに株で

「社長、株の調子はどうですか?」

「まあ、今年はボチボチかな(笑い)。下手くそな私が儲かるのも全て安倍ちゃん(総理)のおかげだよ。」

「下手くそなのですか?証券会社では成績優秀で早く支店長になったと聞きましたよ。」

「証券会社で優秀と言うのは、相場が上手いということではなく、手数料を稼ぐのが上手いということだよ。いわゆる高速回転商いの天才だね(笑い)。」

「そうなのですか?でも儲けてもらわなければ手数料も稼げないじゃないですか?」

「そうなのよ、トップセールスになるには、相場観・説得力・運・自信これら全てが必要なのよ。」

「社長!オカマ言葉になってますよ(笑い)。」

「例えば、トヨタのセールスは車に自信を持って説得力があれば売れると思うけど、トヨタの株を売るには、相場観や運が付いて来るのよ。業績が良くても上がらない時もあるし、突如リーマンショックのようなことが起こることもあるしね。」

「難しそうですね、でもやっぱり相場が上手いということですね。」

「褒められると、何故かオネエ調になるけど、それが他人(ひと)の金と自分の金では全然違うのよ・・・どんだけ~」

「自分の金だと慎重になるのですか?」

「当たり前じゃない、お客さんに『そんなに自信があるなら自分で買ったら?』とよく言われたけど、『自信はありますけど、お金はありません。』とよく誤魔化してたよ(笑い)。」

「でも、去年は儲かったじゃないですか。」

「アホ!じゃない『バカでも儲かる大相場』だったね。証券界に入って30年以上になるけど、これ程の相場は初めてだよ、上げるスピードではバブルの時以上だね。2倍3倍当り前、5倍以上続出だったね。」

「アベノミクス様さまですね。」

「そう、アホノミクスと言う人もいるけど、就任以来株式時価総額は100兆円以上増えたし、この波及効果は凄いよ、シュリンク経済が一機に好転した感じだね。」

「でも、消費税増税で4月以降厳しいらしいですね。」

「確かに、駆け込み需要の反動だろうけど、実際消費税8%は大きく感じるね、しかしアベチャン(いつの間にか友達調)の凄いとこは、消費税転嫁拒否調査を徹底しているとこだよ。」

「そうですね、もう何回も公正取引委員会から『消費税の転嫁拒否等に関する調査』の手紙やハガキが来てますね。」

「大手バイヤーに納める中小企業は、過去消費税が上がっても、転嫁出来なくて苦しんだからね、今回は転嫁どころか便乗値上げだらけじゃない。ここ20年で初めて値上げ出来たという商品が多いのじゃない。」

「本当ですね、1000円だった商品がいつの間にか1080円になっていて、消費税は3%上がっただけなのに、どんだけ~ あ!社長のオネエ言葉がうつりました(笑い)。」

「インフレターゲットは前から言われてたけどね、世界中がインフレ循環していた中で日本だけが殻に籠っていたからね、リーマンショック等、下がる時は一緒に下がるからとんでもなかったよ。」

「でも、まだ株と大企業の業績ぐらいですかね?」

「マスコミは給料が上がっていないと言うけど、20年間、絞って絞って、何時でも辞めさせるように、派遣や一時雇用に頼っていたのが漸く正社員化、給料も上げなきゃ採用出来なくなって来ている。外食は特に大変らしいよ、近所のさくら水産は、ホールの3人いた女性が1人になり、ついに閉店したよ、650円の刺身定食が食べれない、残念。」

「牛丼のすき屋は60店舗も閉店状態だと報道されてましたよ、労務問題で大変みたいですが。」

「従業員をこき使って、安い牛丼を提供して大きくなったからね、デフレ経済では安けりゃ売れるので、吉野家との『牛丼戦争』等とマスコミで何時も取り上げられていたよね、小川会長は今年も店舗を増やすと言ってるらしいが、それが成功することは、また失われた20年に戻るということだよ、ゼンショーさんには申し訳ないけどそうであってほしくないね。」

「しかし2%のインフレターゲットって案外難しいものなのですね。」

「マイナスからのスタートだからね、株・税金・電気料金・ガソリン代・便乗値上等全部上がっているから後は消費だね。若い人が車を買わないとね。日銀の量的緩和ではもう効き目がないと思うよ。これで消費税10%を見送ったらもう二度とチャンスはこない感じだね。」

「4月以降中古マンションも売れていないそうですね、個人の売買は消費税関係ないのにね?」

「日本人はムードに流されやすいからね、アベチャンに秘策があるのかな?これから年末にかけてが正念場だね。」