起業家時代の到来(その2)

<起業家時代の到来>(その2)

話は随分ずれちゃったのですが、要するにアメリカの辿った道を日本も行くのかということです。

小泉・竹中がすすめた改革のおかげで、日本にも「物を言う株主」が増えました、企業も「会社は社員と共に」なんてカッコイイことを言ってられなくなり、「会社は株主のもので、株主の利益が一番大事です」当然、効率経営・当期利益を求めます。

今フォーチュン誌上位500社に勤めるアメリカ人は、10人に1人もいません。
アメリカ最大の民間雇用主はGMでもマイクロソフトでもアップルでもグーグルでもアマゾンでもなく、人材派遣のマンパワー社です。

雇用という面ではグーグルやアップルが取って替わるということもなく、税金逃れのため本社を海外に変えている企業が続出です。
もはや企業は人(家族)ではなく金(利益)になってしまいました(涙)。

しかし、社会の構造改革を成し遂げたアメリカは、今やまた世界経済の牽引車です。
今の多くのアメリカの若者の夢は、組織の中で出世することではなく、主にインターネット上で自分の好きなやり方で仕事をやってみたいと考えています。
小さな企業が続々と誕生しています。

1994~98年にかけて、従業員20人未満の企業が生み出した新規雇用は900万人。
なんとアメリカ全体の新規雇用の八割です。
いまやアメリカの全ての企業の半数以上を従業員五人未満の会社が占めているという事実です。

多くのミニ企業の誕生を後押ししているのは、インターネットです。
デジタルネットワークの進歩のおかげで、個人やグループでも、大企業並みの活動や宣伝をすることが可能になりました。

日本はというと、人手不足だということで、外食産業等を中心に「非正規社員の正社員化」というおかしな(素晴らしい)状況になっています。
スタバやワタミ、あのブラックのユニクロまでも!本当ですか?(スタバは課税逃れ批判で欧州本社を移転)

私の社会人生活の中で人手不足という言葉を耳にしたのは、バブルの弾けた91~93年頃です。

不動産や株は下がっていましたが、まだ余韻があるというか、「人集めセミナー」などを商工会議所とタイアップして開催したのを思い出しました。「本当に人手不足なの?」
日本にバブルの頃のような活力が戻るのかというと、無理でしょう。

確かに、失われた20年の間、日本以外の世界は大きくバブリました。
物価水準が日本の何分の1程度だった東南アジア諸国も今やインフラ(不動産や公共料金)を除けば日本と同程度、ヨーロッパで比較的物価の安かったイタリアでも、ランチが何と30ユーロ(約4200円)、サン・ピエトロ広場のジェラート5ユーロ(約700円)。10年ちょっと前には、1000万円以上のマンションなどロシアには殆どなかったのに、モスクアには1億越が続々と建設されているらしい。

何と海外の方は「東京の不動産は安い」とおっしゃる。(自国で儲けたアジアの方が、港区や湾岸のマンションを買っているそうですが)確かに日本のバブルも一般庶民が買ったわけではなかった、東京オリンピックまでは外人さんの力で上がるかもしれません。(上げてください、お願いします、ロンドンオリンピックでは選手村辺りの不動産は5倍になったそうです。)

でも、水は高いところから低いところに流れます。
グローバル化で、お金は24時間世界を回っています。
水準訂正は早くなっています。
中国の成長鈍化も迫っているような気がします。「過剰投資で設備が余ってきています。」

次の成長エンジンはアフリカだそうです。

アメリカで起こったことは必ず日本でも起こる(最近の成長企業、楽天やユニクロは日本独自というよりも、H&Mやアマゾンのコピーですよね?)。

ソニーや任天堂等は円安でも黒字にならない(グローバル化が終わっている?)
製造業が日本経済を牽引するのはもはや無理!
アメリカのように新しい会社の誕生、組織から個人の時代への変貌、社会の構造変革が必要です。

構造改革を言いながら一方で、正社員化、TPPを言いながら米は守るぞと言っているのと同じ。
補助金漬けで、農業・漁業の競争力をなくしたのは自民党さんあなたでしょう。
ノルウエーの漁師は1年に3ヶ月だけ漁をして年収1000~1500万円だそうです(殆ど築地へ卸すそうですが)。

しかし、政府も応援してくれるらしく、日本の社会構造も変わっていくのでしょう。
日本人にアメリカ人のようなベンチャー・スピリット(起業家精神)があるのか?
そもそもアメリカとは雇用形態が違う、日本の正社員は守られている。

でもグローバル化の時代、日本企業だけがこの形態を守れるのか?
NO!でしょう。

50年間「完全雇用」の方針を貫いたIBMもシェアを奪われ、解雇しないという方針を捨てました。

私の世代の人間から見ると、御三家のリストラや、パナソニックの二期連続1.5兆円以上の赤字は、パナとは「全く関係ナイ」私も大変ショックでした。いよいよ日本も大変な時代に入ったなと感じます。