退職後の健康保険あれこれ

退職後の健康保険の加入先で保険料が変わる?

退職する社員から、
「就職先が決まっていないから、次の健康保険は何処で加入すればいいの??」
と良く聞かれることがあります。

制度がすごく複雑ですが、自分なりにおおよそ次のように答えています。

まず就職先が決まっているのであれば、次の会社で健康保険に加入すれば何の問題もありません。
(未加入の会社もありますが)

そうじゃない場合は、主に以下のパターンになります。
 ①健康保険の被扶養者になる。
 ②任意継続被保険者になる。
 ③国民健康保険の被保険者になる。

上記3パターンのどれに加入しても、病院に支払う金額は3割負担で同じです。

ただし納める「保険料」で考えるとその違いが表れてきます。

①の場合は、被扶養者は全く保険料がかかりませんので、一番良いです。
また60歳未満の配偶者という立場で加入なら、国民年金保険料もかかりません(いわゆる第3号被保険者)。
ただし、年収130万円を超えてしまうと扶養から外れてしまうので、失業保険をもらう方やアルバイトなどをするときには注意が必要です。

②、③の場合は、保険料がかかります(涙)。
ですが、どちらでも保険料を低く抑えることができる場合があります。

②の任意継続被保険者は、健康保険料を退職時の給与天引き金額の2倍支払います。
2倍支払うので割高だと思いますが、この任意継続被保険者には保険料の上限が低く設定されていて、例えば政府管掌健康保険の任意継続被保険者だと30万円の標準報酬等級に対応する保険料が上限(介護なし:29,910円、介護あり:34,560円。平成26年8月現在)です。

国民健康保険料は前年の所得に応じて保険料がおおよそ決まるので、前年に高い報酬をもらっていたり、または不動産収入があって所得が高い場合は、特に検討しておいた方がいいでしょう。
任意継続被保険者に加入するには、2月以上健康保険に加入していることが要件で、退職日の翌日から20日以内に申請しなければなりません、最高2年加入できます。

③の国民健康保険の場合は、世帯の総収入で保険料が決定されるため、もし世帯のだれかが国民健康保険に加入していて、既に保険料上限になっているのであれば、加入しても均等割部分のみで済みます。均等割は各市区町村によって違いますので、問い合わせをしてみてください。
また国民健康保険は、平成22年から会社都合により退職した方は保険料が軽減されます。
具体的には、給与所得を70%減で計算し、最高1年間保険料が軽減されることとなります。

健康保険料は、年金と違い掛け捨てとなるので、無駄な保険料を支払わないようにしたいものですね。