住民税の特別徴収義務の徹底化について思うこと

住民税の特別徴収ってご存知ですか?

これは、住民税はもともと個人で市区町村に納付すべきものですが、給与所得者については事業主が住民税を給与天引きし、代わりに納付する制度です。

特別徴収の対象は、原則として給与を支払うすべての事業主(個人・法人問わず)となっています。

個人の方は、納付漏れが防げることと、毎月徴収(12回払い)となるので負担の平準化が図れる(ちなみに普通徴収は年4回払いで1回あたり約3か月分)ことができ、メリットがあります。

事業主側は、事務負担が増えること、また納付義務も負うことになるので納期限に遅れたら延滞税などの付帯税が科されてしまうのでデメリットばかりが目につきます。

しかし特別徴収制度は地方税法で規定されていますので、いわば事業主側は特別徴収が義務化されていますが、普通徴収を行っている事業者はまだ多いですよね。

それが特別徴収の義務化を徹底するということで、平成27年度より関東では埼玉県、栃木県、茨城県が県内すべての事業者に対して行うとのことです。

ちなみに千葉県は平成28年度から実施とのことで、国税と違い地方税だから足並みが揃わないみたいですね。

しかし、今回の措置はなぜ今頃?の感が否めません。

地方税法で特別徴収義務が規定されているにもかかわらず、普通徴収のまま今まで黙認してきた経緯の説明はほとんど見たことがありません。

要は納付率を上げるという都合だけでやっているだけだと思います。

徴収事務をきちんとしてこなかった結果、滞納者の増加により財政が圧迫されそのツケを負わされたようなもので、たまったものではありません!

派遣元会社の経理をしている友人は、「派遣会社は短期就労が多いので、これから事務負担がかなり増えそうだよ」とぼやいていました。

小規模の人数しかいない事業者も同様に事務負担が増えると思います。

また、事業主側のメリットとして、「所得税と違い、年末調整などの業務は必要ありません」とHP上で記載されていますが、当たり前過ぎて意味がわかりません。

国民として納税はもちろん当たり前ですが、義務を果たす以上、納得のいく経緯説明をしてもらいたいものです!